不整脈について

日ごろから脈をとる習慣を!

 

心臓は規則正しく一定のリズムで拍動しており、健康な成人では日中安静時の正常心拍数は1分間に50-100回と定義されています。リズムに不整がある場合、あるいはリズムは一定でも心拍数がこの範囲を逸脱する場合を総称して「不整脈」と呼びます。
 

不整脈にはいろいろな種類があり、期外収縮のように治療の必要がない軽い不整脈も多くありますが、症状が強く生活に支障をきたすもの、突然死の引き金になるもの、心不全や脳塞栓などの合併症の原因になるものは治療が必要です。不整脈は症状も生命予後に与える影響もさまざまですので、正確な診断と自分の不整脈に合った治療を行うことが大切です。

最も危険な不整脈は心室細動で、心臓が痙攣を起こして血液を全身に送りだすポンプ機能を失った状態です。放置すると死に至る不整脈で、直ちに心肺蘇生術と電気ショックによる治療が必要です。多くは心筋梗塞などの心臓病に合併して起こりますが、明らかな心臓病のない人に起こる場合もあります。最近マスコミなどでも話題になるAED(自動体外式除細動器)はこの心室細動で倒れた人を救命するための器械です。

 

心房細動は高齢者に多くみられる不整脈で、心房が小刻みに震えて脈拍は全く不規則になります。心房内で血液の流れがよどみ、血栓(血液の塊)ができやすくなります。特に左心房で形成された血栓が脳にとぶと心原性脳梗塞を引き起こすことになります。心房細動は不整脈としては致死的な不整脈ではありませんが、心原性脳梗塞は重症になる場合が多いので、心房細動の治療、血栓の予防が必要です。

 

過労・睡眠不足などの不規則な生活習慣や、アルコール、たばこ、コーヒーなどは不整脈の誘因になります。生活習慣を改善するとともに、不整脈と診断された人、もともと高血圧や心臓病のある人は、自覚症状がなくても定期的に心電図検査を受けることをお勧めします。

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